top of page
  • 菅原知之の感じるままに

【対談】文化を変える ~ 理解はまず好きになることから ~(ゲスト 叶 真史 3/4)

FMたんと「菅原知之の感じるままに」9月25日放送分

ゲスト:叶 真史 さん(発達支援事業所 ひらそるの芽 代表)3/4

発達支援事業所 ひらそるの芽 代表 叶 真史さんとの対談3週目



2020年4月、大牟田市明治町に「発達支援事業所 ひらそるの芽」をオープンされた叶 真史さん をお迎えし、児童発達支援事業と保育所等訪問支援事業についてのお話について伺います。



対談1回目→ https://youtu.be/ZJjO4QOzU6k



対談3回目は障害を理解について。

理解を進めるには文化を変えること。そのためには日常から変わる必要がある。相手を理解するために価値判断を超えて、まず好きになることから道は開ける。


 

みんな幸せになればいいのに

 障がいを持つ人に対する差別意識というのが「何で?」と考えていたとき、文化だと思う。私がチリに2年間住んでいたとき、先進国ではない国で障がいを持っている人はどうしていたかと言うと、例えば車椅子のおばあちゃんがバスに乗ろうとするとき、スロープが付いているわけではなく、力持ちの人が通りがかって抱えて乗せたりする。ほっといたら日本もそうならないのかなと思う。


でも文化として根付いた障がいがある人はサービス、施設というイメージがある。変えていく必要がある。どうしたらいいかと思うと、子どもの頃からの教育が必要。海外の先進国も30年50年かけてできてきた。そこでも差別はある。


少しずつ変えていくことが必要で、障がいがあるお子さんに、支援学校しかないとか思われたりするけど、サービスを提案してそれを利用したりする。その子の得意なことも見えてきたりする。それで周りのお子さんも自然に触れ合うことで少しずつ変わっていく。


小さい大牟田という地域ですけど、それで変化していけばと思う。


菅原 障がいの話でもメディアにおいて尖った才能みたいなものを報道されたりする。それに対するうれしい気持ちは大切だと思っている。でもどんな人であってもその人のいいところはある。それは障がいに関わらず、すべての人に共通する話。一人ひとりの価値という話になる。


自分が割りを食っているとか損しているとかそういう思いがあって、そういうふうに人を見たりすることが、障がいという分野に出てきている。障がいがある人にはその人らしいとかを思う中で、一方で自分の職場の人にはどういうものものさしで見ているのだろうとか、そういう葛藤がある。


言っていることが自分の行動と一致しているのだろうかとか。こういう話をしている対話をしていることが大切と思う。自分に関係ないとしてしまったら文化が変わらなくなってしまう。それをみんなにどう広げていけるか。


価値評価のものさしの話になる。「この社会にどのくらい価値をもたらしたかという」視点があったりするが、それは違いますよね。そうじゃない答えを探していかないとみんな幸せになれないから。


そういうことが本質的にはあって、そのひとつとしての障害福祉の領域というのがあるのではないかと思います。


叶 障害分野で働いていたことがあって、小児麻痺のまま大きくなられた方がいて施設に住んでいたんですけど、その人が言っていたことがスうトンと落ちたんですが、「みんな幸せになればいいのに」って言った。


大変な職員だったり、もちろん当事者も大変だし、当事者の親も大変。いろんな大変な人が世の中にいる中でみんな幸せになればいいのにがストンと落ちた。みんなってのは難しいけど見える範囲の人を幸せにっていう思いはある。



いいところ見つけるポイントは?

叶 その子のことを好きになること。好きな人っていいところ探す。極論みんなを好きになればいい。評価の指標は専門家としてはあるからとんがりを見つけることはもちろんできる。でもその子のこと好きになると従来の価値観ではないいいところが見つかると思う。


一般就労した人がいて、その人は何か仕事が得意というわけではなかったけど、その人がいるとほんわかするよねってことで仕事を長く続けさせてもらったことがあった。そういう大人になって欲しいなっていうのは思いますね。


自己重要感高かったりすると他人に対してギスギスしなかったりする。だから何かがあるから好きとかではなく、まず好きになるということ、そこら辺を目指しながらやっています。


自分に何かをもたらすかとか自分を好きかとか見てしまう。そこは気にしない。自分が好きになってしまえば、自分が好きな人は相手もだいたい好きじゃないですか。一方通行でもいいと思っている。

bottom of page